はじめに #
KOM-MICSでは使用するプログラムに特定のコメントを入れることで、品番/品名/工程名/材質を取得したり、どの会社向けなのかというのを取得してデータの共有/非共有の設定が出来ます。ここを正しく設定しないとViewerのタイムチャートなど品番/品名/工程名が表示されません。
会社フィルター #
NCプログラムに特定のコメントを入れることで、どの会社向けなのか という属性をプログラムに持たせることが出来ます。この属性を元にデータ共有先の企業も設定可能です
コマツ品フィルター(コマツ協力企業向けの機能) #
コマツから協力企業に貸与しているKOM-MICS端末の場合は、コマツ部品以外のデータを取得しないようになっています。特定のコメントを入れないとデータが取れないので、以下に従ってプログラムコメントを入れてください。
加工のメインプログラム内に “(KOMATSU)”や“(KMT)” というコメントがある場合、その加工プログラムはコマツ部品を加工していると判断し、データ取得・送付を行います。
●コマツ部品と判定される例
コマツ部品と判定される例①=================================================
%
O3758(D375 HC C)
(KOMATSU)
コマツ部品と判定される例②=================================================
%
O3758(KOMATSU)
(D375 HC C)
コマツ部品と判定される例③=================================================
(KOMATSU)
M30
%
コマツ部品と判定される例④=================================================
%
O3758(D375 HC CKMT)
コマツ部品と判定される例⑤=================================================
%
O3758(KMT)
(D375 HC C)
●コマツ部品と判定されない例
コマツ部品と判定されない例①===============================================
“(KOMATSU”の直後に “)” ではなく文字があるため判定されない
%
O3758(D375 HC C)
(KOMATSU-SANKI)
コマツ部品と判定されない例②===============================================
“KOMATSU )”の直前に“ ( ”ではなくスペースがあるため判定されない
%
O3758(D375 HC C KOMATSU)
コマツ部品と判定されない例③===============================================
“KOMATSU”の直前直後に “( ”や“ )”がないため判定されない
( KOMATSU-NTC)
M30
%
コマツ部品と判定されない例④===============================================
“KMT”の直後に “) ”ではなく文字があるため判定されない
%
O3758(KMTD375 HC C)
コマツ部品と判定されない例⑤===============================================
“KMT”の直後に “)” ではなくスペースがあるため判定されない
%
O3758(D375 HC C KMT )
コマツ部品と判定されない例⑥===============================================
“(”及び“)”が複数あるため判定されない
%
O3758(D375)( HC C KMT )
品名・品番・工程名・材質コメント #
メインプログラムの先頭に、部品名(BUHIN)、部品番号(BANGO)、工程名(KOUTEI)、材質(SOZAI)の記入することで自動集計します。記入例のようにそれぞれ別の行に記入ください。
Viewerの「あんどん機能」や「タイムチャート」にて生産進捗や実績を活用するには、品番・品名・工程名 が記入されている必要があります。
- 記入例(黄色部分は必須項目)
- 例①=============================================================
- %O4500
- (BUHIN@KOMASHAFT)
- (BANGO@000-0111-1111)
- (KOUTEI@SEIRITSU)
- (SOZAI@SCM445H)
- (UPDATE1@20130602NAOTOSAITO)
- 例②=============================================================
- %O3120
- (BANGO @098-0121-2341)
- (KOUTEI @OP-1)
- (SOZAI@SS400)
- 例③============================================================
- (BUHIN@BOOM)
- (BANGO@056-1254-1957)
- (KOUTEI@OP-3)
- (SOZAI@FCD400)
- (UPDATE1@20130602NAOTOSAITO)
※注意:部品名、工程名では次の記号は使用できません。* ” – ;
●検出アルゴリズムについて
部品名の場合、「(BUHIN@」を検出し@以降かっことじる「)」までを部品名として登録します。例えば (BUHIN@KOMA)の場合は「KOMA」が部品名として (BUHIN@ KOMA )の場合「 KOMA 」が部品名として登録されます。
“@”が入力できない設備の場合 #
“@”が入力できない場合、”@”を”+AT+”に置き換えて入力ください。
例:(BANGO+AT+056-1254-1957)
材質記号について #
標準では以下の表の通りの材質記号が使えます。各社ごとでカスタマイズしたい場合はViewerの管理者機能の「ワーク材質リスト編集」より自社で使う材質を設定ください。
工具コメント #
テンポラリー工具等に対応する為、NCプログラム内に各工具番号の工具のコメントを記入することで、工具の情報を自動取得します。
書式や凡例の内容を説明します。コメント項目はすべてが必須項目になっています。また、Viewerの工具管理機能より当該工具データをコメント形式で出力が可能となっていますので、NCプログラムに記入する際は、出力して使用することを推奨します。
工具コメント書式 #
(@@工具番号 工具名 C工具カテゴリ E刃数 D工具径 S工具材質 P工程種 RノーズR T刃先タイプ Aアングルヘッド有無 L工具長 M工具型番)
※ コメント項目はすべてが必須項目。但し、マシニングセンタの場合は「ノーズR」を除く。
各項目の意味は以下の通りです。
記載 順序 | 名称 | 記載記号 | 記載単位 | 記載内容 |
1 | 工具番号 | @@T | [文字列] | 工具番号を記載 |
2 | 工具名称 | [文字列] | 工具の名称を大文字英数字で記載 | |
3 | 工具カテゴリ | C | 選択式 | 別表の工具カテゴリIDから選択して記載 |
4 | 刃数 | E | [整数] | 刃の数を整数で記載 |
5 | 工具径 | D | [mm] | 工具の直径を小数点第二位まで記載(0.00~2000.0) |
6 | 工具材質 | S | 選択式 | HSS/CC/CERM/SCBN/CERA/DIAから選択して記載 意味は以下の通り HSS:ハイス CC:超硬合金 CERM:サーメット SCBN:CBN焼結体 CERA:セラミック DIA:ダイヤモンド |
7 | 工具種 | P | 選択式 | FIN/SEMI/ROUから選択して記載 意味は以下の通り FIN:仕上げ加工 SEMI:中仕上げ加工 ROU:荒加工 |
8 | 刃先ノーズR | R | [mm] | 刃先のノーズR(半径)をmmで記載 |
9 | 刃先タイプ | T | 選択式 | SOL/IND/CARから選択して記載 意味は以下の通り。 SOL:ソリッド IND:チップ交換式 CAR:先端交換式およびカートリッジ式 |
10 | アングルヘッド 有無 | A | 選択式 | ENA/DISから選択して記載 意味は以下の通り ENA:アングルヘッド有り DIS:アングルヘッド無し |
11 | 工具長 (セット長) | L | [mm] | 工具長(セット長)をmmで記載 |
12 | 工具型番 | M | [文字列] | 工具の型番を大文字英数字記号(最大32文字)で記載 |
工具カテゴリーID一覧は以下の通りです
工具カテゴリID | 日本語 | English |
TRNGE | [旋削]外径 | External turning |
TRNGIB | [旋削]内径 | Internal turning |
TRNPE | [旋削]外径突切り・溝入れ | External parting and grooving tool |
TRNPI | [旋削]内径突切り・溝入れ | Internal grooving tool |
TRNPA | [旋削]端面溝入れ | Axial grooving tool |
TRNTHE | [旋削]外径ねじ切り | External thread turning tool |
TRHTHI | [旋削]内径ねじ切り | Internal thread turning tool |
MILF | [フライス]正面フライス | Face milling cutter |
MILSQ | [フライス]肩削りフライス加工 | Shoulder face mill |
MILG | [エンドミル]エンドミル | End Mill |
MILB | [エンドミル]ボールエンドミル | Ball End Mill |
DRLF | [ドリル]ドリル | Cylindrical hole drill |
DRLI | [ドリル]ガンドリル | Gun Drill |
DRLSC | [ドリル]段付きドリル | Step and chamfer drill |
DRLCTR | [ドリル]センタードリル | Center drill |
DRLSPT | [ドリル]スポットドリル | Spot drill |
REA | [リーマ]リーマ | Cylindrical hole Reamer |
KMTELCREA | [リーマ]電着リーマ | Electroplated reamer |
KMTREADRL | [リーマ]リーミングドリル | Reaming Drill |
TAP | [タップ]タップ | Tap |
MILTH | [タップ]プラネットタップ・スレッドミル | Planet tap/Thread mill |
BOR | [ボーリングorフェイシング]ボーリング | Boring |
KMTFACE | [ボーリングorフェイシング]フェイシング | Facing |
KMTPINION | [ギア加工]ピニオン | Pinion |
KMTSKIVING | [ギア加工]スカイビング | Skyving |
HOB | [ギア加工]ホブ | Hobbing |
MILSF | [カッタ]サイドカッタ | Side Mill |
MILC | [カッタ]面取りカッタ | Chamfer Mill |
CSINK | [カッタ]ザグリカッタ | Countersink |
KMTSEAT | [カッタ]シート面カッタ | Chamfer and Countersink Cutter |
MILTS | [カッタ]Tスロットカッタ | T-slot milling cutter |
KMTORING | [カッタ]Oリングカッタ | O-ring cutter |
KMTMEASURE | [その他]計測_タッチプローブ/ゲージ | Measure_Touch probe/Gauge |
KMTCLEAN | [その他]清掃_エアブロー/ブラシ | Clean_Air blow/Brush |
KMTDEBUR | [その他]バリ取り工具 | Deburring |
KMTBURN | [その他]バニシング工具 | Burnishing |
KMTHORN | [その他]ホーニング工具 | Horning |
BRO | [その他]ブローチ | Broaching |
KMTOTHER | [その他]その他 | OTHERS |
工具コメント検出アルゴリズムについて #
“(@@T”で始まるコメントを検出して工具番号ごとの工具を登録します。コメント内のスペースで区切って各項目の内容を取得します。このため、項目間にはスペースを必ず入れ、項目内には絶対にスペースを入れないでください。
工具コメント記載時の注意事項 #
・各項目の中にはスペースを入れないでください。
・工具カテゴリはCの後の文字を検出して登録します。Cとの間にスペースがあると検出できません。また、工具カテゴリは、別表の通りの表記以外は認識しません。
・刃数はEの後の数字を検出して登録します。Eとの間にスペースがあると検出できません。
・工具径はDの後の”.”を含む数字を検出して登録します。Dとの間にスペースがあると検出できません。
・工具材質はSの後の文字を検出して登録します。Sとの間にスペースがあると検出できません。また、工具材質は、別表の通りの表記以外は認識しません。
・工程種はPの後の文字を検出して登録します。Pとの間にスペースがあると検出できません。
・ノーズRはRの後の”.”を含む数字を検出して登録します。Rとの間にスペースがあると検出できません。旋盤の場合のみ必須となります。
・刃先タイプはTの後の文字を検出して登録します。Tとの間にスペースがあると検出できません。また、刃先タイプは、別表の通りの表記以外は認識しません。
・アングルヘッド有無はAの後の文字を検出して登録します。Aとの間にスペースがあると検出できません。また、アングルヘッド有無は、別表の通りの表記以外は認識しません。
・工具長はLの後の数字を検出して登録します。Lとの間にスペースがあると検出できません。
・工具型番はMの後の文字を検出して登録します。Mとの間にスペースがあると検出できません
工具コメント記載例 #
良い例① ===========================================================
M06
(@@T43 FURAISU D50.0 L100.0 E4 R0.2)
良い例② ===========================================================
(@@T43 FURAISU D50.0 L100.0 E4 R0.4)
M06
良い例③=============================================================
(@@T43 FURAISU D50.0 L100.0 E4)
M06
良い例④=============================================================
(@@T43 FURAISU E4 L100.0 D50.0 R0.4)
M06
悪い例① ******************************************************************************
M06
(@@T43FURAISU D50.0 L100.0 E4)
工具番号と工具名との間にスペースが無いため、検出できません
悪い例② *******************************************************************************
M06
(@@T43 FURAISU D 50.0 L100.0 E4)
工具径のDと数字の間にスペースがあるため検出できません
悪い例③ *******************************************************************************
M06
( @@T43 FURAISU D50.0 L100.0 E4)
@@Tの前にスペースがあるため検出できません
悪い例④*******************************************************************************
M06
(FURAISU @@T43 D50.0 L100.0 E4)
工具番号と工具名の記載順が間違っているため検出できません
M0・M1の停止理由コメント #
コメントすることでM0、M01の停止理由を自動集計します。
集計する標準の停止理由コメント #
集計するコメント(標準コメント)は以下の通りです。
大分類 | 分類 | 標準 コメント1 | 標準 コメント2 | 標準 コメント3 |
工具 | 摩耗確認+摩耗時に交換 | MM | MAMO | MAMOU |
工具 | 交換(交換のみを行う場合) | KKN | KOKAN | KUOKAN |
工具 | 上記以外の(締め付けや工具番号の間違い等) | TCH | TOOLCHECK | |
ワーク | 寸法確認 | SNP | SUNPO | SUNPOU |
ワーク | 取り代確認 | TRS | TORISIRO | TORISHIRO |
ワーク | 芯出し作業 | SND | SINDASI | SHINDASHI |
ワーク | 上記以外の確認(巣確認、黒皮残り確認等) | WCH | WORKCHECK | |
切屑 | 除去 | KRK | KIRIKUZU | |
ジグ | 締め付け確認(締める、緩める、チャック圧変更) | SMT | SIMETUKE | SHIMETSUKE |
ジグ | 外す | HZS | HAZUSU | |
加工機 | プログラム番号確認 | PCH | PRGCHECK | |
加工機 | 機内清掃 | SJ | SOJI | SOUJI |
加工機 | 座面確認 | ZMN | ZAMEN | |
加工機 | クーラントノズル調整 | NZR | NOZURU | |
その他 | テスト用 | TST | TEST |
停止理由コメント書式 #
これらの標準コメントをM0やM1の同じ行にコメントとして書き込みます。書式は以下の通りです。各コメントの間に+を入れて複数の理由を検出します。コメントの数に関して上限はありません。
●書式
M01(標準コメント1+標準コメント2+標準コメント3)
正常に集計される例①=====================================================
M01(MAMO+SUNPO+KIRIKUZU+PRGCHECK)
正常に集計される例②=====================================================
M01(T45MAMOU+SUNPOUT50+KIRIKUZU)
正常に集計される例③=====================================================
M00(BOR-SUNPO)
正常に集計されない例①===================================================
M00(MAMOSUNPO+KIRIKUZU)
標準コメントが“+”の前に複数ある
正常に集計されない例②===================================================
M01(SHIMETUKE)
標準コメントと異なる文字
正常に集計されない例③===================================================
M00(KIRIKUZU+MAMOSUNPO)
標準コメントが“+”の後に複数ある
正常に集計されない例④===================================================
M00(KIRIKUZU)(MAMO)
“(”“)”が一行に複数ある場合は一つ目しか集計できません
出来高複数カウントコメント仕様 #
同一品番同一工程の複数取りに対応します。
メインプログラムに、出来高個数(COUNT)を記入することで指定個数にて集計します。
本コメントが無い場合は常に出来高1個となります
●コメント書式
(COUNT@個数)
●2個の場合の記入例
(COUNT@2)
暖気運転プログラム用コメント #
稼働率集計において、稼働判定から暖気運転時を除外したい場合に設定します。
品名・品番・工程名コメントのどれか一つが「DANKI」または「WARMUP」に一致する場合、対象プログラムを暖気運転用プログラムと認識します。タイムチャートで対象プログラム動作時の表示凡例が”暖気”となり、稼働判定の集計対象に含まれないようになります。
●コメント入力例(どれでも可)
(BUHIN@DANKI)
(BANGO@DANKI)
(KOUTEI@DANKI)
サブプログラムでの詳細データ取得不可コメント #
自社ノウハウ等で特定のサブプログラムのデータを開示したくない場合に設定します。
サブプログラムの先頭に(DONOTGET)コメントを記入します。
対象のサブプログラムではプログラム、座標、切削条件等を取得しなくなります。
(稼働状態は取得します。対象以外のプログラムでは変わらずデータを取得します。)