対応コントローラ #
コントローラの対応状況は以下の通りです。
FUSION 640:マシニングのみ可。旋盤不可。NCアップデート必要。MTConnectオプション導入必要。
MATRIX:マシニングと旋盤両方可能。旧式はNCアップデート必要。MTConnectオプション導入必要。
NEXUS:マシニングと旋盤両方可能。旧式はNCアップデート必要。MTConnectオプション導入必要。
SMART:マシニングと旋盤両方可能。旧式はNCアップデート必要。MTConnectオプション導入必要。
MATRIX2:マシニングと旋盤両方可能。NCアップデートは不要。MTConnectオプション導入が必要。
SmoothX:マシニングと旋盤両方可能。NCアップデートは不要。MTConnectオプション導入が必要。
SmoothG:マシニングと旋盤両方可能。NCアップデートは不要。MTConnectオプション導入が必要。
SmoothC:マシニングと旋盤両方可能。NCアップデートは不要。MTConnectオプション導入が必要。
SmoothAi:マシニングと旋盤両方可能。NCアップデートは不要。MTConnectオプション導入が必要。
はじめに #
本稿を読む前に「設置手順」を参照ください。
KOM-MICSはマザックコントローラに接続可能です。対応コントローラは以下の通りです。
CNC名 | 年代 | マシニング 対応可否 | 旋盤 対応可否 | MTconnect オプション | NC アップデート | 備考 |
FUSION 640 | 2004~ | ○ | × | 20万円 | 20万円 | マシニングのみ可 |
MATRIX MATRIX NEXUS | 2008~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要or20万円 | 要NCアップデート |
SMART | 2009~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要or20万円 | 要NCアップデート |
MATRIX2 | 2011~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要 | |
Smoothシリーズ | 2014~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要 |
また、事前に以下を準備しておいてください。
●事前準備するもの(5つ)
①:MAZAKのオプション購入(必要な場合は設備の改造)
②:対象設備のトルク線図[切削力を測定するのに必要です]
③:対象設備の工具リスト[切削力を測定するのに必要です]
オプションの購入と設備へのインストール #
オプションの手配 #
“MTconnectオプション”が導入可能な設備が対象となります
加工機のCNC(MAZATROL)の種類により、必要なオプションが若干異なるので注意ください
(費用は参考価格です)
CNC名 | 年代 | マシニング 対応可否 | 旋盤 対応可否 | MTconnect オプション | NC アップデート | 備考 |
FUSION 640 | 2004~ | ○ | × | 20万円 | 20万円 | マシニングのみ可 |
MATRIX MATRIX NEXUS | 2008~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要or20万円 | 要NCアップデート |
SMART | 2009~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要or20万円 | |
MATRIX2 | 2011~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要 | |
Smoothシリーズ | 2014~ | ○ | ○ | 20万円 | 不要 |
CNC名は操作盤に記載されています。また、別途作業費が必要です
【発注先】
発注先は「対象設備の担当商社」となりますので、担当を調査のうえ発注してください
合わせて「ヤマザキマザックトレーディング株式会社のエリア担当」に情報共有が必要です
【発注内容】
品名 :MTconnect通信オプション
:(必要に応じて)NCアップデート
設備機番 :調査して記載or名板の写真を添付
対象機種 :調査して記載
対象CNC :調査して記載
バージョン情報 :設備の操作画面を撮影して添付(後述)
【調査内容】
MTconnectオプションの発注の際は、対象設備の「バージョン情報」が必須です
CNCの操作画面で「診断」⇒「バージョン」として、以下の様な画面を撮影して「発注先商社」と「Mazak担当者」に送付してください (バージョンによりNCアップデートが必要になる)
設備へのMTconnectオプション本体のインストール #
ライセンス情報の確認 #
過去の失敗事例として、MAZAK社から提供されたlicenseファイルのライセンス情報に誤りがあり、データ収集が行えなかった事例がありました。このため、オプションソフトインストール前に必ずこれを確認ください。
*異なっている場合、MAZAKに連絡し、ライセンス再発行を行ってください
0:前項で撮影したバージョン画面の画像を手元に用意
①:MAZAKから提供されたUSBメモリを工作機械に接続する
*設備の側面にUSBポートが存在するはずなので利用してください。
以下のボタンを使用して、Windowsを操作していきます。
②:マウス操作を行えます
③:左クリック および 右クリック を使えます
④:「スタート」ボタンをクリック
⑤:「マイコンピュータ」をクリック
⑥:「USB DISK(E:)」をダブルクリック
⑦:「License」フォルダをクリック
⑧設備の機械番号に対応したフォルダをダブルクリック
⑨「license」ファイルをダブルクリック
licenseファイル内の「HostID」と工作機械の「SERIAL」を比較し同じか確認してください。
以下の場合は加工機のシリアル番号とlicenseファイルが異なっている例です。
シリアル番号: M7Z8HN9010Z
licenseファイル:M778HN9010Z
*異なっている場合、MAZAKに連絡し、ライセンス再発行を行ってください
設備のWindowsの日付と時刻を確認 #
加工機Windows の日付と時刻が現在の日時と差異がないか確認します。差異がある場合は正しい日時に変更が必要です。
①:タスクバーの中にある通知領域の時刻をダブルクリックします
②:日付と時刻のプロパティのタイムゾーン、日付、時刻を確認し、正しく設定します
オプション本体のインストール #
①:MAZAKから納品されたファイル一式を保存したUSBメモリを加工機に接続し、開く
②:「MTConnect Adapter」を開く
③:「MTConnect Adapter」内のフォルダを開く
④:「Setup」ファイルを実行する
⑤:表示が切り替わったら「Next」をクリック
⑥:「Install」をクリック
⑦ :インストール中は図のような黒画面が表示されます(2~3分程度)
⑧:インストールが完了たら「Finish」をクリック
ライセンス有効化 #
オプションをインストール後、当該機能を有効化するためにライセンスの認証します。
①:MAZAKから納品されたファイル一式を保存したUSBメモリを加工機に接続し、開く
②:MAZAKから提供されたUSB DISKを開き、「License」をダブルクリック
③:設備の機械番号に対応したフォルダをダブルクリック
④:ライセンス情報の入ったテキストファイルを”右クリック”
⑤:「コピー」をクリック
コピーしたLicenseファイルを所定のフォルダに張り付けていきます
⑥:マイコンピュータから「MAZATROL(C:)」をダブルクリック
⑦:「CPCU」をダブルクリックする
⑧:「MTConnect」をダブルクリック
⑨:「MTConnect」フォルダの空き部分で”右クリック”
⑩:「貼り付け」をクリック
コピーしてできたLicenseファイルが貼り付けられたら完了です。
コントローラ上でIPアドレスの設定 #
加工機とKOM-MICS Logger搭載端末(PAD等)の間でデータのやり取りを行うために、IPアドレス、サブネットマスクを設定します。但し、IPアドレス、サブネットマスクが既に設定入力されている場合は値を変更しないでください。
①:「スタート」ボタンをクリック
②:「マイコンピュータ」をクリック
③:コントロールパネルが以下の表示の場合は「クラシック表示に切り替え」をクリックします。
④:「ネットワーク接続」をダブルクリックします。
⑤:「Local Area Connection」をダブルクリックして、「Local Area Connectionのプロパティ」を表示します。
⑥: 「この接続は次の項目を使用します」の中から、「Internet Protcol(TCP/IP)」をダブルクリック
⑦:「次のIPアドレスを使う」にチェックを入れる
⑧:IPアドレス、サブネットマスクを以下の値に設定します。但し、IPアドレス、サブネットマスクが既に入力されている場合は、その入力済みの値を使用しますので書きとめてください。
IP アドレス:192.168.1.10 サブネットマスク:255.255.255.0
⑨:入力後、「OK」をクリック
フォルダ共有設定 #
NCプログラムの情報を取得するために、NCプログラムの保存先フォルダを外部と共有する設定を行います。
なお、KOM-MICSで取得できるプログラムは、FANUC等と同様のGコード、Mコードなどで構成される形式のプログラムに限定され、対話式プログラムには対応しておりません
①: マイコンピュータから「MAZATROL(C:)」をダブルクリック
②:「MC_Machine Programs」というフォルダを”右クリック”
③:「共有とセキュリティ」をクリック
④: 「このフォルダを共有する」をクリック
⑤:「アクセス許可」クリック
⑥:「Everyoneのアクセス許可」許可の列のチェックボックスすべてをクリックしてチェック
⑦:「適用」をクリック
⑧:「OK」をクリック
共有フォルダパスワード不要化 #
次に、KOM-MICS Logger搭載端末(PAD等)から加工機にアクセスする際にパスワードを不要とする設定を行います。
①:「スタート」ボタンをクリック
②:「ファイル名を指定して実行」をクリック
③:「secpol.msc」と入力する
④:「OK」をクリック
⑤「ローカルポリシー」の横の△ボタンを押して展開
⑥「セキュリティオプション」をクリック
⑦「ローカルアカウントの空のパスワード~」をダブルクリック
⑧:「無効」をクリック
⑨:「適用」をクリック
⑩:「OK」をクリック
レジストリ設定変更 #
次に、先ほどのパスワード不要化の設定を恒久化します。
①:「スタート」ボタンをクリック
②:「ファイル名を指定して実行」をクリック
③:「REGEDIT」と入力
*以下の操作では、誤操作を行うと設備全体の動作不良につながる可能性があるので、十分に注意してパラメータの変更を実施してください。
⑤:「HKEY_LOCAL_MACHINE」を展開
⑥:「SYSTEM」を展開
⑦:「CurrentControlSet」を展開
⑧:「Control」を展開
⑨:「Lsa」をクリック
⑩:「LimitBlankPassworUse」をダブルクリック(別項目を選択しないように注意)
⑪:値のデータ を「0」に書き換える
⑫:「OK」をクリック
以上でヤマザキマザックMAZATOROLシリーズ の機械側設定は完了となります。
設備とのEthernet接続 #
マザックの機械との接続を行います。マザックの場合は制御盤の中に通信ポートがあるので、それを使用します。既にさしてあるLANケーブルは絶対に抜かず、開いているポートを使用ください
Loggerの接続と設定 #
Loggerインストール #
Loggerをインストールしていない場合は「Loggerインストール」を参照してLoggerをインストールください。その際、サポートデスクに相談して実施ください。一部端末では特殊な操作が必要になるためです。
また、マザックより提供されたDevice File(mazak.xml)を端末にあらかじめ入れておいてください
Logger設定(共通部分) #
「Logger設定(共通部分)」を参照して設定ください。その際、必ずメーカーを「MAZAK」とし、コントローラを「MAZAK CNC」としてください。
Logger設定(各コントローラごとの部分) #
引き続き、マザック特有の部分の設定を行います
①:IPアドレスとポートを設定
IPアドレス: 127.0.0.1 と入力
ポート: 5001 と入力
②:設備の種別を選択
マシニングセンタ[M] か 旋盤[T] を入力
③:コントローラ種別を選択
FUSION640 → 640M5Xを選択
上記以外(MATRIXシリーズ、Smoothシリーズ) → MATRIX を選択
④:NCプログラムフォルダ を入力
「\\192.168.1.10\MC_Machine_Programs」と設定。IPアドレスは設備に設定したものを使用
⑤:実行中としないGコード を入力
(特殊なGコード等で工程内一時停止等を行う場合はココで除外設定してください。)
⑥:「次へ」をクリック
工作機械Logger共通設定 #
「工作機械Logger共通設定」を参照して設定下しさい。
尚、マザックの場合他の工作機械と異なり以下のような画面が出てきます。マザックより提供されたDevice File(mazak.xml)を選択してください。
また、以下のような画面も出てくるので「Enter」キーを押してください。
NCプログラムの設定 #
引き続いて「NCプログラムの設定」を参照し設定ください。
Windows操作(タッチスクリーン) #
MAZAKの新型設備のWindows操作はタッチスクリーンとなっている場合があります。
以下はHCN5000の操作盤です。
マウス操作 #
タッチスクリーン上でのマウス操作となります。
①:左クリック
画面上でワンタップを行うと、マウス左クリックの操作になります。
ツータップでWクリックの操作になります。
②:右クリック
画面上で長押しを行うと、マウス右クリックの操作になります。
キーボード操作 #
下記手順によりスクリーンキーボードを画面に表示して文字入力を行います。
①:画面右端を右スワイプして設定のウィンドウを表示させる。
②:「キーボード」ボタンをタップ
③:画面上のキーボードをタッチして、文字を入力する。