はじめに #
本稿を読む前に「設置手順」を参照ください。
KOM-MICSはシーメンスのCNC 840DPL(PowerLine)と840DSL(SolutionLine)にも接続することが可能です。KOM-MICS以外にシーメンスのソフトウェアやハードウェア購入が必要になります。
また、事前に以下を準備しておいてください。
●事前準備するもの(3つ)
①対象設備のトルク線図[切削力を測定するのに必要です]
②対象設備の工具リスト[切削力を測定するのに必要です]
③対象設備に接続するのに必要なソフトハード一式(後述)
接続可否の調査とソフト・ハードの購入 #
840DPL(PowerLine)の場合 #
接続可否の調査 #
制御盤を開けて、NCU(シーメンスCNC本体)を調査してください。その中のX122というD-SUB端子が空いているかを調査ください。使用されている場合は操作盤等につながっていないか設備メーカに問合せください。
このX122が空いていればKOM-MICS接続可能です。
シーメンスからソフトとハードの購入 #
840DPLの場合は以下のような形で設備と接続を行います。
このような接続をするため、以下のソフトウェアおよびハードウェアをを各国のシーメンスから購入ください。(CNC一つに付き一セット必要です。)
No | 名称 | 型番 | 数量 | 価格 |
1 | WinCC | 6AV63812BC075AV0 | 1 | $2,230 |
2 | Connectivity Pack | 6AV63711DR075AX0 | 1 | $1,045 |
3 | PS Channel | 9AE43400WC07 | 1 | $2,900 |
4 | PC ADAPTER | 6GK15710BA000AA0 | 1 | $745 |
引き続いてWinCCのインストールを行います。
840DSL(SolutionLine)の場合 #
接続可否の調査 #
制御盤を開けて、NCU(シーメンスCNC本体)を調査してください。その中のX130というEthernet端子が空いているかを調査ください。使用されている場合は操作盤等につながっていないか設備メーカに問合せください。
このX130が空いていればKOM-MICSと接続可能です。
シーメンスからソフトの購入 #
840DSLの場合は以下のような形で設備と接続を行います。
このような接続をするため、以下のソフトウェアおよびハードウェアをを各国のシーメンスから購入ください。(CNC一つに付き一セット必要です。)
No | 名称 | 型番 | 数量 | 価格 |
1 | WinCC | 6AV63812BC075AV0 | 1 | $2,230 |
2 | Connectivity Pack | 6AV63711DR075AX0 | 1 | $1,045 |
3 | PS Channel | 9AE43400WC07 | 1 | $2,900 |
引き続いてWinCCのインストールを行います。
WinCCのインストールと設定 #
WinCCはインストールするために様々なWindowsコンポーネントのインストールも必要です。このマニュアルではその手順も記載します。
Windowsコンポーネントのインストール #
メッセージキューと.Net Framwork3.5の追加 #
コントロールパネルの「プログラムのアンインストール」をクリック
「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック
以下の2つを選択し、OKをクリック
・.NET Framework3.5(.NET2.0および3.0を含む)
・Mirosoftメッセージキュー(MSMQ)サーバー
「Windows Updateからファイルをダウンロードする」をクリックし、インストール完了後「閉じる」をクリックします。
引き続いて「.NET Framework4.7.2のインストール」を行います。
.NET Framework4.7.2のインストール #
下記URLより.Net Framework4.7.2をダウンロードしてください。
http://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=863262
ダウンロードしたファイル「NDP472-KB4054531-Web.exe」を実行してください。 ユーザーアカウント制御画面ではいボタンをクリックしてください。
同意するをチェックし、インストールボタンをクリックしてください。
次の画面が表示された場合は、はいボタンをクリックしてください。
完了ボタンをクリックしてください。
その後、Windowsを再起動してください。
WinCCのセットアップ #
WinCC V7.5 SP2のインストールディスクをセットし、インストールディスク内の「Setup.exe」を実行してください。
言語を選択し「次へ」クリックし
「次へ」をクリック。
「次へ」をクリック
ライセンス条項にチェックして「次へ」をクリック
「インストール」を選択し「次へ」をクリック。
言語を選択し、「次へ」をクリック
「パッケージのインストール」を選択し「次へ」をクリック
「WinCC Installation」を選択し、「次へ」をクリック
「次へ」をクリック
「ライセンス条項に同意」にチェックし「次へ」をクリック
「システム設定の変更を承諾します」をチェックし、次へ
「インストール」をクリック
「はい、コンピュータを今すぐ再起動します」を選択し、「終了」をクリック
WinCC Updateのセットアップ #
WinCCV7.5SP1 Upd2アップデートディスクを挿入してください。
ディスク内のV7.5SP1Upd2フォルダをC;ドライブ直下にコピーしてください。
C:¥ V7.5SPUpd2¥WinCC_V751_Upd2.exeを起動してください。
「NEXT」をクリック
「I accept the terms in the license agreement」にチェックし、「NEXT」をクリック
「NEXT」をクリック
セットアップする言語を選択し、「次へ」
「次へ」をクリック
ライセンス条項に同意する旨のチェックをつけて「次へ」をクリック
「次へ」をクリック
「システム設定の変更を承諾します」にチェックして、「次へ」をクリック
「インストール」をクリック
「はい、コンピュータを今すぐ再起動します」を選択し、「終了」をクリック
PS-Channelのインストール #
PS-Channelは特殊なソフトであるため、シーメンスのラベルがついたDVDは提供されません。以下のような形のDVDで納品されるか、またはダウンロード形式で提供されます。納品されていない場合はシーメンスに問合せください。
(特殊なソフトであり、シーメンス営業がダウンロード形式で提供というのを知らない場合があります。)
PS-ChannelのインストールディスクやインストーラーのZIPを回答しセットし、[CDドライブ]:¥Setup¥WinCC_7.5フォルダの「WinCC V7 PS Add Ons.exe」を管理者として実行してください。
言語を選択し「OK」をクリック
「NEXT」をクリック
「I accept the license agreement」を選択して「NEXT」をクリック
ユーザ名を入力し、「Anyone who uses this computer」を選択し「NEXT」をクリック
「NEXT」をクリック
「NEXT」をクリック
「NEXT」をクリック
「NEXT」をクリック
「Install licence File」をクリック
[CDドライブ]:¥License¥WinCC_7.5フォルダのライセンスファイルを選択し「開く 」ボタンをクリック
「OK」ボタンをクリック
「Finish」ボタンをクリック
WinCCライセンスキーの登録 #
ライセンスキーUSBを挿入します
デスクトップにある「Automation License Manager」を起動します
USBドライブ内の「WinCC RT(128)」と「WinCC Conectivity Pack」を右クリックし、「転送」をクリック
ライセンスキーの転送画面が出るので、転送先ドライブに「System(C:)」を選択し「OK」をクリック
ローカルディスク(C:)にライセンスが転送されていることを確認します。
ライセンスキーが1になっていれば転送されています。
ライセンスキーUSBをPCに取り付けた状態でSIMATIC WinCC Exploerを起動してください。
ライセンスキーUSBをPCから取り外すと、WinCCはデモモードでの実行となります。
WinCCにKOM-MICS用モジュールインストール #
WinCCにKOM-MICS用のモジュールをインストールしていきます。
まず、デスクトップにある「SIMATIC WinCC Explorer」をクリックして起動します。
以下のように新規のプロジェクトを設定します。
①「ファイル(F)」をクリック
②「新規(N)」をクリック
③「シングルユーザプロジェクト」を選択
④「OK」をクリック
プロジェクト等の設定を行います。
⑤プロジェクト名に「WinCC_840D」と入力します
⑥プロジェクトパスを「D:¥WinCC_840D」とします。(Dドライブがない場合はCドライブで設定)
⑦新規サブフォルダに「WinCC」と入力します。
⑧「作成(E)」をクリック
「KOM-MICS用モジュール[WinCC_840D_V02.ZIP](クリックでダウンロード)」をダウンロードして、「D:\WinCC_840D」にコピー&ペーストする。
「KOM-MICS用モジュール[WinCC_840D-winCC_V02.ZIP](クリックでダウンロード)」をダウンロードして、「D:\WinCC_840D\WinCC」にコピー&ペーストする。
「WinCC用取得データタグ設定ファイル[DataTagNC_840D.txt](クリックでダウンロード)」をダウンロードしインポート
・「編集(E)」をクリック
・「インポート(I)」をクリックし、ダウンロードしたファイルを選択
インポートされたことを確認します。
・「FM/NC」をクリック
・「840D」をクリック
・右側のタグに110個のタグが読み込まれていたらインポート成功
設備とのWinCCの接続 #
840DPL(PowerLine)の場合 #
ケーブル接続[840DPL(PowerLine)] #
840DPLとはD-SUB(MPI)で接続します。以下のようにPC ADAPTER経由でWinCCをインストールしたPCと接続ください。
引き続き「通信設定と通信確認」を設定します
840DSL(SolutionLine)の場合 #
CNCにIPアドレスの設定[840DSL(SolutionLine)] #
コントローラの画面より設定を行います
・「Setup」をクリックします
・「Network」をクリック
・「Change」をクリック
・IPアドレスとサブネットマスクを設定します。
値が設定されていない場合は以下の通りとします。
IPアドレス:192.168.1.100
サブネットマスク:255.255.255.0
ケーブルの接続[840DSL(SolutionLine)] #
840DSLとはEthernetで接続します。このため、NCUのX130とWinCCをインストールしたパソコンをLANケーブルで接続ください。
引き続き「通信設定と通信確認」を行います。
通信設定と通信確認 #
PG/PCインターフェースの設定(32ビット) #
コントロールパネルを開き「PG/PCインターフェースの設定(32ビット)」をクリック
840DPL(PowerLine)の場合 #
840DPL(PowerLine)の場合はMPIという通信方式を使います。設定は以下の通りです。
①「アクセスパス」をクリック
②「アクセスパス(A):」で「S7ONLINE(STEP7)」を選択します
③「CP****.MPI.*」となっているものを選択し「<アクティブ>」に変更
④「アクセスパス(A):」で「MPI(WinCC)」を選択します
⑤「CP***.MPI.*」となっているものを選択し「<アクティブ>」に変更
通信設定が正しいか確認します。「診断(D)」をクリック
⑥「読み込み(R)」をクリック
⑦読込失敗:パスノードにチェックが入らない場合は設定や配線が間違っているので再確認
読込成功:使用しているノードにチェックが入ります。
0はパソコン本体でそれ以外がNC側。
0以外のチェックが入ったノードをメモして後ほどStationAddressとして使用します。
⑧「OK」をクリック
「OK」をクリック
引き続き「WinCCの通信設定と通信確認」を行います。
840DSL(SolutionLine)の場合 #
840DSL(SolutionLine)の場合はProfibusという通信方式を使います。設定は以下の通りです。
①「アクセスパス」をクリック
②「アクセスパス(A):」で「S7 ONLINE(STEP7)」を選択します
③「****TCPIP.AUTO.*」となっているものを選択し「<アクティブ>」に変更
④ 「OK」をクリック
WinCCの通信設定と通信確認 #
引き続いてWinCC側の通信設定も行います。まず、デスクトップにあるWinCC Explorerを起動します。
起動したWinCC Explorerの「タグ管理」をダブルクリックします。
以下のような警告が出ることがありますが、気にせず「OK」をクリックして続けてください。
FM/NCの通信設定 #
タグ管理の画面が出てくるので、「FM/NC」の「840D」で右クリックします
「接続パラメータ」をクリック
840DPL(PowerLine)の設定 #
840DPL(FM/NC)はMPIで接続するので以下の通り設定します。
①Connection typeの「MPI」を設定します
②「通信設定と通信確認」で調査したCNCで使用しているStationAddressを設定(0以外)
デフォルトでは「3」を入力ください
※840D_PLCとはStationAddressを別にする必要があります。
(通信がうまくいかない場合はこのStationAddressの数値をチェックがついた他の数値に変更)
③以下の通り設定します
Segment-ID:0(固定値)
Rack-No: 0(固定値)
Slot-No.: 13(固定値)
④「OK」をクリックします
引き続き「PLCの通信設定」を行います。
840DSL(SolutionLine)の設定 #
840DSL(FM/NC)でProfibusで接続するので以下の通り設定します。
①Connection typeの「TCP/IP」を設定します
②「CNCにIPアドレスの設定 」でCNCに設定したIPアドレスを入力
③以下の通り設定します
Segment-ID:0(固定値)
Rack-No: 0(固定値)
Slot-No.: 4(固定値)
④「OK」をクリックします
PLCの通信設定 #
引き続きPLC側の設定も行います。タグ管理で、「PLC」の「840D」で右クリックします
「接続パラメータ」をクリック
840DPL(PowerLine)の通信設定 #
840DPL(PLC)はMPIで接続するので以下の通り設定します。
①Connection typeの「MPI」を設定します
②「通信設定と通信確認」で調査したCNCで使用しているStationAddressを設定(0以外)
デフォルトでは「2」を入力ください
※840DとはStationAddressを別にする必要があります。
(通信がうまくいかない場合はこのStationAddressの数値をチェックがついた他の数値に変更)
③以下の通り設定します
Segment-ID:0(固定値)
Rack-No: 0(固定値)
Slot-No.: 2(固定値)
④「OK」をクリックします
引き続き「加工機との通信確認」を行います。
840DSL(SolutionLine)の通信設定 #
840DSL(PLC)はProfibusで接続するので以下の通り設定します。
①Connection typeの「TCP/IP」を設定します
②「CNCにIPアドレスの設定 」でCNCに設定したIPアドレスを入力
③以下の通り設定します
Segment-ID:0(固定値)
Rack-No: 0(固定値)
Slot-No.: 2固定値)
④「OK」をクリックします
WindowsのIPアドレスの設定(840DSLのみ) #
840DSL(SolutionLine)の場合はEthernetで通信するため、WinCCをインストールしたPCにIPアドレス設定を行います。
「Windowsボタン」+「R」ボタンを押します
ファイル名を指定して実行のウィンドウで「control」と入力し、OKを押します
「ネットワークとインターネット」をクリック
「ネットワークと共有センター」をクリック
「アダプター設定の変更」をクリック
使用する有線の「イーサネット」をダブルクリック
「インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)」を選択
「プロパティ」ボタンをクリック
「次のIPアドレスを使う」をクリック
IPアドレスとサブネットマスクを設定(IPアドレスは設備と重複しないようにすること)
「OK」をクリック
「OK」をクリック
加工機との通信確認 #
WinCCをインストールした端末のWindowsを再起動し、再起動後に接続している工作機械を動かしてください。以下のような画面が出てくるので、赤枠部分の数値が工作機械の動作に従って値が変化していれば正しく設定できています。出来ていない場合は以下の設定等を見直してください
840DPL:StationAddressの設定
840DSL:WinCCをインストールした端末とWinCCと工作機械のIPアドレス設定
WinCCとLoggerの接続と設定 #
Loggerインストール #
Loggerをインストールしていない場合は「Loggerインストール」を参照してLoggerをインストールください。
Logger設定(共通部分) #
「Logger設定(共通部分)」を参照して設定ください
Logger設定(各コントローラごとの部分) #
シーメンスの設定を行っていきます
①以下のように設定します
IPアドレス:127.0.0.1
ポート:4862
設備タイプ:マシニングセンタ か 旋盤 を選択
②NCプログラム共有フォルダ:
③接続タイプ:「WinCCに接続」を選択ください
④「次へ」をクリック
工作機械Logger共通設定 #
「999_工作機械Logger共通設定」を参照して設定下しさい。
NCプログラムの設定 #
引き続いて「NCプログラムの設定」を参照し設定ください。