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コマツC3/C4/C5

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コマツ産機製アーク溶接ロボット(C3,C4,C5)に、KOM-MICS Loggerを接続するための設定マニュアルです。

ハードウェア(溶接ロボット・端末・通信環境)の要件を確認する #

溶接ロボットの要件 #

項目要件
コントローラ型番C3,C4
CXX,KXRC,NXは非対応です。
コントローラバージョンC3:W665以降
C3:W765以降
C4:W827以降
C4MC:W927以降
バージョンアップが必要な場合は、コマツ産機に依頼してください

コントローラバージョンはティーチングペンダントでモニタの461を表示する事で確認できます。VW以下3桁の値がコントローラバージョンです。

端末の要件 #

推奨端末の項も参照ください。

端末選定でご不明の場合は、KOM-MICS サポートデスクか、クオリカ株式会社KOM-MICS 販売担当(担当:和田 keishirou_wada@qualica.co.jp)までご連絡ください。

項目要件
電源必須24時間電源が入る状況を維持できる事。
設備電源と連動した電源(サービス電源など)を使用する場合は別途ご相談ください
ネットワーク接続必須:常時インターネット接続が確立されている事。
(有線LAN回線が推奨ですが、無線LANでも可能です)
イーサネットポート推奨2つ以上(ロボットとのネットワーク接続用に1ポート、インターネット接続に1ポートとして)
必須:1つ以上
1つしかない場合、別売りのLANハブをご用意ください。
OS推奨:Windows10, Windows11,Windows IoT Enterprise LTSC
動作検証済み:Windows7,Windows8.1
Windows7:2020年10月 Microsoftサポート終了
Windows8.1:2023年1月 Microsoftサポート終了 
Windows10:2025年10月 Microsoftサポート終了予定

サポートの終了したOSは、セキュリテイリスクが増加する懸念があります。
新規導入・置き換えはWindows11か、Windows IoT Enterprise LTSCを、ご検討ください。
PC形態推奨:デスクトップPC産業用PC
ラップトップPC、タブレットPCも可ですが、動作時の負荷・廃熱にご注意ください
ログイン必須:管理者権限使用できる事
CPU/メモリ下表参照(同時接続するロボット台数により異なる)
ストレージ空き容量推奨:50GB以上
必須:30GB以上

ロボットの同時接続台数と必要なPC(CPU/RAM)スペック目安

接続するロボット台数
(端末1台につき)
CPU PassMark
(CPU性能指標)
主なCPU
()内はPassMark値
RAM
1台1000~2000Celeron N3350 (1113)
Celeron J4025 (1946)
4GB
2~3台~3000Core i3-4308U (2999)4~8GB
~4台~4000Celeron J6412 (3898)
Core i3-1115GRE (3918)
8~16GB
4~8台~9000Core i5-1145GRE (9697)
Core i5-1135G7 (10044) 
16GB
10~台10000~Core i7-12700T (22645)
Ryzen9 5900HX (22955)
16~32GB

上記はあくまで目安です。特に8台以上の溶接ロボットを接続する場合の端末選定は、別途ご相談ください。

通信環境(ネットワークインフラ)の要件 #

項目要件
使用するLANケーブル端末1台で複数台のロボットを接続:ストレートケーブル
               (ハブ経由する場合)

見分け方:コネクタを同じ向きに並べたとき、配線の色の順番が同じ

端末1台で1台のロボットを接続:クロスケーブル

見分け方:コネクタを同じ向きに並べたとき、配線の色の順番が異なる
イーサネットハブ(LAN)の電源必須:24時間電源が入る状況を維持できる事。
プライベートIPアドレス割り当て必須:ロボットのIPアドレスに192.168.2.XX以外を使用の事
192.168.2.XXはロボットのティーチングペンダントに使用のため、重複した場合にティーチング・操作不能になることがあります。
ネットワーク構成必須:端末とロボットはケーブルで直接接続するか、イーサネットハブを介して接続し、ルータを使用しない事
良い例:ロボットと端末を直接LAN(イーサネット)ケーブルで接続している


良い例2:ロボットと端末の間にイーサネットハブを入れて、分岐させて複数のロボットと端末1台を接続している


悪い例:ロボットと端末の間にインターネット接続に使えるルータを使用している

ロボットの接続設定 #

⚠注意(感電の恐れあり、下記徹底の事)

  • 操作盤内作業時(LANケーブル接続作業)は設備の一次電源を確実にOFFして作業の事
  • 設備の一次電源OFF後も、帯電個所がある場合は絶縁手袋・シートを付けて保護措置する事

LANケーブル接続 #

ロボットコントローラ内の通信ポートにLANケーブルを接続します。コントローラを開ける際には電源を切ってください。また、本作業は有資格者のみが行ってください。LANポートが2つありますが、上側に必ず接続してください。(下側は使用不可)

IPアドレスを設定するときの注意点 #

(プライベート)IPアドレスは、ある同じネットワーク階層に存在する、端末とロボット(1台もしくは複数台)のネットワーク上の所在を定めた特定の番号になります。Kom-micsでは端末・ロボット間でデータの送受信を行うために、ロボット・端末間のIPアドレスが正しく設定されている事が必要です。”正しく”、とは以下の事を指します。

  • 192.168.1.XX(XXはロボット・端末ごとに異なる値 )とする
  • 端末・ロボットのそれぞれが末尾XX(第4クオテット)で全て異なるIPアドレスを持つ(192.168.1.XX

下に、端末1台でロボット4台を、イーサネットハブを介して接続し、同じネットワーク階層を構成した例を示します。

良い例:全て異なるIPアドレス

良い例では、端末・ロボット全てに末尾が異なるIPアドレスを持っており、IPアドレスを元にした、データの送受信指示が適切に行う事ができます。

悪い例:ロボット間で重複したIPアドレス

こちらは、ロボット2台が全く同じIPアドレスを持っておりネットワーク上では、どちらのロボットかを判断できません。従って、端末は両方のロボットと通信ができなくなります

上記の悪い例を防ぐため、複数のロボットを一度に設定する場合は、ロボットと端末の設定でIPアドレスの重複を生じないよう、メモを取り、確認しながら作業ください。

ロボットのIPアドレスとポートを設定する #

ロボット側のIPアドレスはティーチングペンダントで設定します。

①ティーチングペンダントで”環境設定”を選択

②”ネットワーク”を選択

③ロボットのIPに、”192.168.1.XX(XXは端末・ロボットごとに異なる値)”、サブネットに”255.255.255.0(端末・ロボットで共通)”をティーチングペンダントで入力してください。上位通信ポートは”3017”,上位通信ポート2は”3009”のままにしてください。

注意:ロボットのIPに誤って192.168.2.XXを使用しないでください。

完了後、ロボットを再起動してください

ロボットのジョブにKOM-MICS 命令を追加する #

ロボットのメインジョブに”KOM-MICS 命令”を追加します。これにより工程(自動サイクル)の開始・終了を明確に取得する事ができます。(必須)

①メインジョブの先頭にKOM-MICS 品番命令を追加する。必ず10桁か12桁を入力する事。(11桁、13桁は不可)

②工程名を登録したい場合は、ラベル命令で工程名を入力する。全て半角英字”KOUTEI¥”と入力し、その後ろに登録したい工程名を入力する。

コマツ以外の製品を作るジョブはKOM-MICS 他社命令を入力してください。(データがKOM-MICS でマスクされ、詳細を閲覧できなくなります)

③メインジョブの末尾にKOM-MICS 終了命令を追加する。

注意:KOM-MICS 終了命令は自動運転フラグの接点がOFFする前に入れてください。自動運転フラグがOFFになった後にKOM-MICS 終了命令を実行すると、エラーを生じる事があります。

端末の設定を行う #

端末にLANアダプタを増設する(LANポートが1つのPCのみ) #

通常のデスクトップ・ラップトップ・タブレットPC端末は、LANポートが1つだけである事が多いです。一方、ロボット側との接続には有線LANが必要になるため、インターネット接続を既設のLANポートで実施する場合、ロボットとの通信のため端末側のポート増設が必要になります。

備考:端末~インターネットの接続を無線Wi-Fi・LTEで実施する、もしくはLANポートが2つ以上ある端末はこの手順不要です。

①市販のUSB-LAN変換アダプタを購入し、USBで端末側と接続します。

(推奨機種:BUFFALO USB-LANアダプタ LUA-U2-ATX

②増設したLANアダプタのポートは、端末側のIPアドレスが固定されていないため、そのままロボットに接続して設定しても通信できません。そのため、追加したアダプタのIPを固定します。キーボードでWindowsボタン+Rと押すと、”ファイル名を指定して実行”が起動します。そこに”ncpa.cpl”と入力してOKをクリックします。

③ネットワークアダプタの一覧が表示されるので、増設したLANアダプタのアイコンで右クリックして、”プロパティ”をクリックします。

④インターネットプロトコルバージョン4(TCP/IPv4)を選択して青いハイライト表示にし、プロバティをクリック

⑤”次のIPアドレスを使う”を有効にして、IPアドレスとサブネットマスクを次のように設定する。

IPアドレス:”192.168.1.XX”(IPアドレス設定の注意点で記した端末のIPアドレスです)

サブネットマスク”255.255.255.0″

設定後、”OK”をクリックします。

⑥既設のLANアダプタがインターネット接続できることを確認する

既設のLAN(有線・無線・LTE)がインターネットに繋がることを確認する。

以上でLANの増設作業は終了です。

KOM-MICS Loggerをインストールする #

以下の手順でKOM-MICS Loggerをインストールします。

①Loggerのインストーラをダウンロードして実行する。

他の工作機械などと共通の手順になりますので、詳細はリンク先を参照ください。

補足・注意点 #

インストールの際の補足・注意点を示します。

  • 複数のロボットを接続する場合は、設備の種類を選択する際に”端末と設備を1対多で接続する”のチェックを入れてください。
  • エッジデバイス本体IPアドレスについては、空欄で問題ございません。

溶接ロボットのLogger設定 #

以下に、溶接ロボット固有のLogger設定手順を示します。

①アーク溶接機のシステム設定を行います。次のように行ってください

  • ロボット:C3,C4のいずれかを選択してください
  • ジョブ取得方法:”通信”を選択してください
  • IPアドレス:接続されるロボット側で設定したIPアドレスを入力してください
  • ポート(旧コマンド用):接続されるロボット側で設定したポート1を入力してください
  • ジョブ取得用ポート(旧コマンド用):ポート2を入力してください
  • ロボットNo:CSVのヘッダー番号を入力して下さい

 次に予知保全設定を行います。
 計算モデルを設定することで、予知保全ダッシュボードを適用できます。
 尚、予知保全を使用しない、又は未定の場合は設定をスキップしてください。

  • 板厚:”厚板”もしくは”薄板”から選択してください
  • 異常判定式:対象のロボットの設備条件に合わせて選択してください
  • 送給負荷異常判定式:対象のロボットの設備条件に合わせて選択してください
  • 電流異常判定係数:電流の異常判定係数を設定してください
  • 電圧異常判定係数:電圧の異常判定係数を設定してください
  • 送給負荷異常判定係数:送給負荷の異常判定係数を設定してください

②溶接機(電源・使用するワイヤの情報など)の設定を行います。

稼働状態を正確に取得するため、必ず入力してください。

③設定完了です。複数のロボットを接続する場合は引き続き2台目,3台目…と設定してください。

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